任意売却を了承したからといって競売取り消しになるわけではない

任意売却を選択したものの、裁判所での競売手続きが止まるということはありませんので、裁判所のスケジュールに則り競売への方向に進むことは変りありません。
債権者は「任意売却」を了承したからと言って、「成約=債権回収」に至っていなければ、手続きを止めるということはあり得ないからです。
債権者が「競売の取り下げ」の申請を裁判所に行わなければ、競売の取り下げはできないといっても過言ではありません。

では、競売の取り下げはいつまで行えば競売を回避できるのでしょうか。

それは、「競売落札日」の前日までであれば理論的には可能となります。
しかし、実務的には多くの債権者は「競売入札開始日前」までに任意売却での成約、すなわち、物件の「決済」を行わないと了承しないというのを原則としています。
任意売却での不動産売買契約は一般的な売買契約と変わりありせんから、不動産売買契約を締結してから「決済」を行うまでおよそ1ヶ月の期間を設けることになります。
例外として買主がローンを組まず、現金決済を行う場合や若しくは、契約と決済を同時に行う「一括決済」の場合は稀にあります。
しかし、債権者の社内稟議も必要とすることから不動産売買契約から決済までの間、およそ1ヶ月の期間を切ると、債権者としてはかなりの難色を示し、結果的に、任意売却は認めないと言われるケースがほとんどとなります。

任意売却着手から競売取り消しまでのタイムスケジュール

競売取消までの予定

競売を取り消すために最初にすべきことは任意売却専門業者に相談すること

これをご覧いただくと、任意売却の活動を行ってから、どんなに短くても2ヶ月を切ると任意売却が成功する確率が低くなってしまいます。
従いまして、任意売却を成功するためには早めにご相談いただき、対処していかないと競売に至ってしまいますので、注意が必要となります。